最期の2日

こんにちは。看護師・山岸です!

何年か前のお話です。

がんの方でした。

ご入院中の方で、体のあらゆる部位にがんが転移し、お食事もとることが難しくなり、点滴と酸素投与をされ、最期の時へと向かっておられるそんなご状態でした。

病院では面会制限が厳しく、面会できるのは1日に15分だけ。最期の時は、ずっとそばにいてあげたい。だけど、そんなこと可能なのだろうか……と、娘様がホームへ相談に来られました。ホームでできること、病院との違い、それらが何なのか、一つずつご説明させていただき、ホームへご入居の方向で調整させていただくこととなりました。病院様からは、もう1週間も持たないかもしれないが移動するなら状態が比較的落ち着いているこの数日です、ここを逃したらもう難しいでしょう、とのことで、急ピッチでご入居の準備を行い、お申し込みから数日でご入居いただだく形となりました。

最期の時が近づく中、家族様も一緒にお部屋に泊まられ、家族団らんの時を過ごされました。

最期の瞬間は、娘様がお父さまと額を合わせ「お父さん、愛してるよ。ありがとう。」そうお言葉を掛けられ、お父さまは息を引き取られました。

ホーム内で一緒に過ごすことができたのは2日ほどでございました。娘様とお父さまにとって大切な2日間となられたのであれば、ホームとしてそれほど嬉しいはございません。

たった2日間。

そう思われる方もおられるかもしれません。

でもそれはかけがえのない、大切な2日間なのです。

  パリアティブケアホーム 入居相談員・看護師 山岸

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