本当は……

こんにちは、看護師・山岸です!

ご入居者様お一人おひとりのご入居にはドラマがある、そう感じることが多くあります。

以前僕が病院に勤務していた時に、看護師長さんから、「産婦人科はドラマがあるの! 本当にやってて楽しかったわ」というお話をよく聞いていました(僕の当時勤めていた病棟は産婦人科とは関係がなかったのですが、病棟の看護師長さんが長く産婦人科で経験を積んだ方でした)。病棟勤めの時は、急性期治療のための看護を担当するのがメインだったので、そこまで患者様の背景に目を向けることができておらず、「そんな一人ひとりにドラマがある診療科で働いてみたいな」と思っていたのを覚えています。

そしてそれから数年の時が立ち、僕は在宅医療の世界へと足を踏み入れるわけですが、在宅医療の世界にも、たくさんのドラマがあります。訪問看護員をしていたときもそうでしたが、入居の相談員をさせていただくようになってから、更に強く、そう感じるようになりました。

「本当は自宅で最期まで、家族みんなでケアしてあげたかった。でもそれは難しくて……」

面談の際に涙を流されるご家族様も多くいらっしゃいます。

ご入居の前に、ご本人様とご家族様の思いがぶつかり、親子喧嘩をされたという方もおられますが、それだけ、たくさん悩んでこられたのだと思います。

ホームにご入居された後も「本当はこう過ごしてほしい」というその思いは、大切にしていただきたい旨を、ご本人様とご家族様へお伝えしています。

すべてをご要望通りに叶えることは難しいことの方が多いかもしれません。

でも、可能な限り「本当は……」というその思いに、寄り添いたいのです。

  パリアティブケアホーム 入居相談員・看護師 山岸

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