帰れた日、笑顔になった日

こんにちは。パリアティブケアホームで入居相談を担当している山岸です。

日々、ご本人やご家族とお話を重ねるなかで、「その人らしく生きるって、どういうことだろう」と考える瞬間があります。

がんを患い、県外から入居されたあるご利用者さま。

入居後、静かにこうおっしゃいました――「もう一度、自宅に帰りたい」と。

その方には、中心静脈栄養や医療用麻薬の管理が必要で、移動には医療的な配慮が欠かせませんでした。

それでも私たちは、ご本人の想いを叶えられないかと、主治医の協力を得て、看護師が同行する形で外出を実現しました。

久しぶりに帰ったご自宅で過ごしたのは、ほんの1時間ほど。

それでも到着したときの笑顔や、ご家族の「昔のお母さんに戻ったみたい」という言葉は、今も心に残っています。

すべての願いに応えるのは難しくても、「どうすれば少しでも近づけるか」を一緒に考えること。

その姿勢が、ご本人の安心や信頼につながるのだと、改めて感じました。

あなたが大切にしている人は、いま何を願っているでしょうか。

  パリアティブケアホーム 入居相談員・看護師 山岸

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